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図書館協議会提言

「平成22・23年度 吹田市立図書館協議会の総括
および図書館サービスへの要望について」

平成24年2月15日
吹田市立中央図書館
館長 竹村 順一 様
平成22・23年度 吹田市立図書館協議会の総括
および図書館サービスへの要望について

吹田市図書館協議会
会長 渡邊 智山
平成16-17年度吹田市立図書館協議会による「将来を展望した吹田市立図書館のあり方について」(答申)が提出された後、平成19年11月8日に「答申後の経過報告」として、「毎日開館」「千里丘図書館(仮称)の整備事業」等に関して、意見が提示されてきた。また、平成19年3月に策定された「吹田市子ども読書活動推進計画」に基づきながら、(1)図書館資料の充実、(2)さらなる情報化への取り組み、(3)図書館ネットワークの充実化、(4)ビジネス支援等新たなサービスへの取り組み、(5)さらなるレファレンス・サービスの充実化、(6)職員研修制度の充実化、(7)小中学校との連携、(8)読書推進施策の策定および子どもたちの「居場所」作り、(9)障がい者サービスの高度化、(10)市民との協働による図書館活動の充実化、などの意見も提示してきた。

今後の課題は、それぞれの問題点について具体的にどのように取り組んでいくのかという「具体論についての議論」であるという視点から、平成22-23年度吹田市立図書館協議会ではソフトウェアの部分を中心に議論した。目標は、これまでの議論を踏襲しつつも、昨今の情報社会の動向および関連サービスの変化を前提に、情報社会の社会的インフラストラクチャとしての図書館が行うべき「具体的なサービス」を提案することにある。市民社会とともに歩む吹田市立図書館が、持続的に運営されるよう、吹田市立図書館協議会としての意見を、別紙の通り、「吹田市立図書館サービスへの意見・提言」として提示したい。

平成24年2月15日
吹田市立中央図書館
館長 竹村 順一 様
吹田市図書館協議会
会長  渡遽 智山
吹田市立図書館サービスへの意見・提言
【図書館サービスー般について】
・新たな利用者を獲得するため、図書館サービスの充実を図るため、図書館の理解を深めてもらうため、「広報(広告・PR)」の方法論を検討する。

【図書館資料の充実】
・多文化サービスに対応するべく、日本文化に関連する翻訳図書、旅行書の翻訳図書を購入する。
・現在の寄贈受入制度を充実させ、受入に関する手続き等を明確化する。
・資料費を確保するために、現在無償で行なっているリサイクル本を一部有償化することを検討する。

【情報化への取り組み】
・電子書籍(一般書・雑誌・教科書・教材・漫画等)の取り扱いについて、導入を前提に検討する。
 :紀伊国屋書店NetLibrary(世界最大級のeBook(和書・洋書)コレクション)など。
・各種インターネットサービスを利活用し、既存の図書館サービスをより充実させる。
 :Ustreamなどを利用して、「図書館講座じゅずつなぎ」等をライブ配信したり(PC+VideoCamera+Internet)、「だっこで絵本講座」等を他の類縁機関(関係施設)でも受講できるようにする。
 :日常生活(生活一般・ビジネス等)における「情報の使い方」を「司書発☆ウェブマガジン」で配信する。
 :Twitter/Facebook等を活用した各種イベント情報発信サービスを展開するとともに、フォロワーの情報ニーズの把握に努める。
 :図書館に対するニーズ調査や満足度調査等をインターネットでも実施する。
 :ヤングアダルト用のネットコミュニティを運営する(Social Network Servicesの活用)。
・ユーザの視点を重視したOPACインターフェースの改良を行う。

【図書館ネットワークの充実化(相互貸借等)】
・市内学校図書館との連携強化を図るため、調べ学習を前提にした学習プログラムを共同開発する。
・広域利用範囲(現在、吹田市一豊中市)を拡大、隣接都市全体へ拡大する。
・市民病院など、医療機関とも連携し、医療/健康情報が入手できる環境を図書館内で整備するとともに、入院患者の支援など(院内学級への支援も含む)の、支援プログラムを策定・実施する。

【レファレンス・サービスの充実化】
・対面、文書、電子メール等で受け付ける従来のレファレンス・サービスを持続しつつ、別途、レファレンス・サービスを活用した「図書館利用法」の教育プログラムを企画・実施する。

【新たなサービスへの取り組み】
・ビジネス支援のために新たなデータベース「J-Dream2(科学技術文献情報)」等を導入し、合わせて、どのようにデータベースを活用してビジネスを展開するか、関係部署と連携しながら、「ビジネス講座」を企画・運営する。
・持続的に新たなサービスを企画・立案するための「組織・チーム」を図書館内に設置する。

【職員研修制度の充実化】
・大阪大学・関西大学等との連携を検討する(研修プログラムの開発も含む)。

【小中学校との連携へのさらなる取り組み】
・学生ボランティアを活用した「寺子屋プログラム」の制度化(図書館内設置型・学校図書館出張型)
・「職業体験(司書体験)」プログラムを学校へ周知を図るとともに、実践の頻度を上げる(1回/月以上)。

【読書推進施策の策定および子どもたちの「居場所」作り】
・読書推進のための作家講演会の充実化(有料)
・児童・ヤングアダルトの「居場所」の設置(一般学習室と区別)
・情報交換ボード(掲示板)の設置(図書・サークル諸活動・その他)
・SNSを活用した「読書クラブ」の運営(ソーシャル・リーディングの促進)

【障がい者サービスの高度化】
・従来の対面朗読サービス、点字関連サービスをさらに充実させるとともにこ点字ディスプレイ・点字プリンター、視覚障がい者用インターネット端末を設置する。
・後天性視覚障がい者のための「点字学習プログラム」を実施する(点字識字率の向上を図る)。
・来館困難者に対する朗読サービス(出張サービス)を制度化する。
・障がい者用読書機器類の貸与サービスを制度化する。

【市民との協働による図書館活動の充実化】
・ボランティア養成講座(対面朗読・点字資料作成・返却本の配架・データ作成・読み聞かせ等)を充実させ、支援ボランティアの数を増加させる。また、必要に応じて、関係機関にボランティアの要請を行う。
・「地域文庫の活動」展示企画など、図書館と各地域文庫活動等が連携できるプログラムを開発する。

【その他】
・市の財政問題と図書館サービスとの関連について、市民が情報を共有できるように、わかりやすい表現で統計情報を作成・公開する。
・文献複写依頼におけるコンテンツを電子媒体で利用できるように環境を整備する。
以上