本の紹介 ご存じですかこんな雑誌PARTⅡ展から

 

21世紀がスタートし、少子高齢化が本格的に進み、社会保障・福祉のあり方に、深刻な問題をなげかけています。地域社会等を通して、私たち1人1人が自分のこととし、社会福祉制度を考えていかなければならないと思われます。

平成12年度は、介護保険制度がスタートしました。

この年は、介護・福祉関係の専門誌はもちろんのことですが、一般の雑誌においても福祉の特集記事が掲載されました。

そこで、逐次刊行物係では、「目よりな情報」第2弾として、「みんなが主役=高齢社会を考える」をテーマに、福祉関係の雑誌約60タイトルを展示いたしました。そのうちの一部分の雑誌をご紹介いたします。

 

AGING(エイジング) 季刊誌 エイジング総合研究センター発行 総務庁高齢

社会対策室が編集協力

内容…高齢社会を迎えて、高齢者の保健・福祉サービス・住宅・生活環境海外事情など、国や地方公共団体・民間において、高齢化についてのあらゆる問題を調査・研究し情報を提供している。高齢化社会の理解を深め、問題を問う、高齢化社会対策の情報誌。

 

コミュニティ 年2回発行 地域社会研究所発行

内容…どうすれば誰でもが暮らしやすいまちになるのか、家族の風景、町村だより、読者の声、中高年のライフスタイルなどを連載して、地域社会や高齢化社会の現状分析などを特集している。

 

社会教育 月刊誌 全日本社会教育連合会発行

内容…生涯学習、社会教育の普及、地域で活動する自治体やNPO、ボランティア等、第一線で活躍する研究者・各界の実務担当者・地域で活躍する市民などが執筆している。 地域づくりや地域の広報、新しい教育メディアを紹介する。

また、新しい生涯学習として、高齢者にみる社会教育行政が動きだしている。21世紀のライフステージを考える、学術総合誌。

 

食の科学 月刊誌 光琳発行

内容…自然科学と社会科学の両面から食の問題をとらえている。

高齢社会の栄養問題で沖縄の長寿食例や食文化の歴史、その他食品の消費流通・食品加工のことなど、食についての特集記事が話題を提供してくれる。

たとえば、「マタタビは、弘法大師が旅の途中で疲れた時、これを食べたら元気になり、また旅を続けることが出来た。そこでマタタビというようになったと…」(秋の果実より)

 

東経連 月刊誌 東北経済連合会

内容…東北の経済景気の動きや地域の経済構造を対談・インタビューを通してクローズアップしている。

特集などでは、少子化時代の社会のあり方や高齢者の社会参加意欲で高齢者の役割を期待しているコミュニティビジネスの例など地域文化で自らの生きがいを提示してくれる。地域の高齢者などの対応や、NPOによる福祉サービス等、特集記事を紹介。

 

トーク・トーク 年2回発行 心の開発集団発行

内容…各地で活躍している人々をエッセイや座談会で紹介。現代社会の問題点などを見つめながら、積極的な姿勢で社会生活をしていくための記事を中心に、生き方の話題を提供。経営人や文化人のメンバーで構成する機関誌。特集記事の中に介護についてこんな記事がある。「死に方」の問題は「死なせ方」の問題。「後悔しない看護」。

 

婦人画報 月刊誌 アシェット婦人画報社発行

内容…婦人層を対象に、ファッション・料理・美容など、豊かなくらしをするためのより深い知識と教養の活力を与える。特に社会生活の情報連載は、その時代にあったテーマもあり、読み手に活力を与える。

「雪囲いに覆われた、山間の一軒家の居間で、1人の老女がパソコンに向かっている。富山県の山村で始まった、村をあげてのIT革命は、そこに住む老人たちにもわずかではあるが、ささやかな「夢」をもたらした。」(夢の老いから)

 

まち・むら 季刊誌 あしたの日本を創る協会発行

内容…全国の自治会・町内会等のまちづくりや社会福祉の活動状況をルポルタージュなどで紹介。また、エッセイなども、地域・文化・教育・生活と幅をもっている。自治会・町内会の情報誌。

 

ゆたかなくらし 月刊誌 全国老人福祉問題研究会発行

内容…ゆたかなくらしをすることは、だれでもがのぞむことである。老後の生き方、老人の生きがいを追求し、老人福祉の問題を、老人ホームや医療機関で働く人々が編集・連載・寄稿・論文などで紹介。高齢者向けの雑誌。

休刊ですが…

 

まちの雑誌=NPOマガジン「どこでもない、ここのため、誰でもない、自分のために、まちづくり」 季刊誌 風土社発行

市民生活に関わる福祉マンション日記や介護は、まちの仕事・福祉・保健教育・文化・施設設備などあらゆる分野にテーマを求めて紹介してくれる情報誌であった。 雑誌を開くと最初のページにこんな印象深い一節があった。

まちは、ヒトが安心して生きられる環境をはぐくむところ。まちは、虫も鳥も緑も風も水も土も、すべての生命をはぐくむところ。まちは、人生をいいものと思うすこやかな生き方をはぐくむところ。

人間と人工と自然のやわらかな関係をはぐくみ、そのことにかかわるヒトの意識のはぐくみの過程を「まち育て」と呼ぼう。

「はぐくむ」とは「発展を願って大切にすること」「そだてる」は自発のココロと慈しみのココロをはらむ。

『まちの雑誌』は、まち育ての想いとふるまいを発信する場所。

「まち育て」への共感の高まりは、子どもとお年寄り、女と男、障害者と健常者、住民と行政、仕事と遊び、芸術と運動、モノとココロ、川と海、過去と未来、これらをゆるやかに、ひとつながりのなかに溶け込ませていく。

『まちの雑誌』は、「まち育て」の想像力の翼を広げ、それをきたえ、ホンモノの発想と行動に出会える場所。

『まちの雑誌』は、生命と協働の世紀を拓く場所である。

これからの福祉においてもこの一節は、とても重要なことと思えた。心あたたまるとも…共感したのだが。

No.6で休刊とは非常に残念である。

ちょっと一言

 

便利になった新聞検索

朝日新聞CD-ROMを購入いたしました。1945年から1999年までの見出しデータベースです。新聞記事を検索するのに簡単に情報が提供出来る様になりました。