最近、サン=テグジュペリの日本での著作権保護の期間が終わったことを受けて「星の王子さま」の新訳が続々と出版され話題を集めています。また、「チョコレート工場の秘密」の2度目の映画化(邦題「チャーリーとチョコレート工場」)で再注目されたロアルド・ダールの児童文学作品も新訳の出版が始まっています。
サン=テグジュペリとロアルド・ダールは、どちらもその生涯に飛行士だった時代があり、その体験を元にした作品でデビューしています。今回の展示では児童文学界に不朽の名作を残したこの二人を「飛行士」という共通点に沿って併せて紹介します。展示コーナーには、ミニ飛行機も登場の予定です。
新訳が出版されることは、この二人の作品が時代をこえた魅力を持っていることのなによりの証拠と言えます。この機会にぜひ二人の作品をお楽しみください。
展示期間:7月7日金曜日から9月6日水曜日
場所:当館展示コーナー
新着案内各分野の担当者が選んだ、お勧めの新着資料をご紹介します。
人文・自然
図説 天使百科事典
ローズマリ・エレン・グィリー/著 大出健/訳 原書房 147.003/クロ062
天使といえば羽のついた子どもの姿を思い浮かべる私ですが、この事典を手に取り、その姿かたち・存在・使命・役割などの多様さに驚いてしまいました。宗教的な視点に加え、民俗学・哲学などの要素もあり、事典として使うだけでなく、読んでも面白い一冊になっています。
フクロウのすべてがわかる本
ジェマイマ・パリー・ジョーンズ/著 波多野鷹/訳 誠文堂新光社 646/ハシ061
なんとフクロウの生態を知り、飼育や繁殖、訓練をしてみようというペットガイド。彼らは“知恵と学問の神様”のシンボルでもあります。だから当館のマスコット“ごろすけ”もフクロウなんですよ。
日本の古辞書:序文・跋文を読む
高橋忠彦、高橋久子/共著 大修館書店 813/タタ061
平安から室町時代までの辞書である『新撰字鏡』、『倭名類聚抄』などの、序文と跋文を紹介し、読み下し文・現代語訳・原文・注釈に加え、簡単な解説もあり、読み物としても楽しめる本です。
社会
世界子供白書 2006 存在しない子どもたち
日本ユニセフ協会 369.4/ユニ054/2
貧困のためワクチン接種もできず、教育を受けることもできない、働く子どもたちがいます。写真と統計データから、世界の子どもたちの置かれている現状を知ることができる資料です。
リーガル・リサーチ
日本評論社 320.7/イマ05Z
日本の法令・判例・文献を調べるためのハンドブック。本、雑誌、データベース、インターネット情報などの紹介にわかりやすい解説がついています。
韓国伝統文化事典
国立国語院/編 教育出版 382.21/タイ061
韓国文化を知るための基本的なキーワードが、わかる事典です。料理、服飾、行事など、豊富なカラー写真といっしょに知ることができます。
日本史<50年周期>逆引き年表
吉川弘文館 210.032/ヨシ061
2001年から2050年まで、その年の50年前、100年前、150年前…と、2000年前までさかのぼって、50年周期でおこった出来事を調べることが出来るユニークな年表です。
雑誌・新聞
ビジネスでは、限られた時間をいかに有効に使うかが一つのポイントになります。仕事の心構えや技術も特集しているビジネス雑誌には、時間の有効な使い方を掲載している号があります。
THE21
PHP研究所 Z335.05/T5
『なぜか目標を達成する人の「365日行動計画」』が、2006年1月号の特集です。セレブの各人各様の目標達成術、手帖やブログといったツールの様々な使い方が紹介されています。自分にあったものを探してみてはいかがでしょう。
1年365日の予定を立てたら、次は1ヶ月、1週間、そして1日24時間をどう使うかです。
プレジデント
プレジデント社 Z335/P3
2006 6.12号で『24時間の達人』を特集しています。トップの実践談や30の秘訣、そして編集部員が体を張って挑戦した「1/2睡眠」など、知恵をこらしたワザの数々をご覧ください。
地域
智恵子抄を歩く:素顔の智恵子
大島 裕子/著 L289/T22/37
高村智恵子は日常をどのようにして過ごしたのだろう。その想いを胸に、著者は智恵子の足跡(福島県内はもとより、一都八県三十ヶ所)をたどる。智恵子が表紙を描いた『青鞜』(当館所蔵資料)の紹介もある。略年譜付。挿画は沢野ひとし。
併せて、『高村光太郎・智恵子展:その芸術と愛の道程』 仙台文学館/編 L289/T22/36は、智恵子と夫である高村光太郎との関わりについてよくまとめられているので、併読をおすすめする。
高村智恵子生誕百二十年の節目の年にあたり、日常と芸術それぞれに焦点を当てた二冊を紹介。
おだかの人物
南相馬市教育委員会小高区地域教育課/編 L281.9/M1/1
実業家、政治家で東北振興に尽力した半谷清寿(はんがい せいじゅ)から、作家島尾敏雄、考古学者の渡部晴雄(わたなべ はるお)まで旧小高町(現南相馬市)に関連する人物十人を概説。人物事典を付す。彼の地の豊穣な文化の一端に触れることができる。
また、『写真集 おだかまちのすがた』 同上 L383/O3/2は、明治期から昭和五十年代までの小高町の写真集。往時の生活風景がまさしく百聞一見に分かる。ユーモラスな表紙の写真には、思わず頬が緩む。