新着案内各分野の担当者が選んだ、お勧めの新着資料をご紹介します。
人文・自然
富士山の絵画史
成瀬 不二雄/著 中央公論美術出版 721.02/ナフ05Y
平安時代の貴重なやまと絵から近代明治の洋画まで、富士山がどのように描かれてきたかを知ることができます。図版や絵画そのものの解説よりも、描いた画家、時代、文化的背景に重点をおいて論じられています。
此処彼処
川上弘美/著 日本経済新聞社 914.6/カヒ05X
著者が記憶に残る「場所」について綴った連作エッセイです。浅草からフィレンツェまで、どの場所のエピソードも著者独特のやんわりとした雰囲気が漂っています。
デジタルアーカイブ白書2005
デジタルアーカイブ推進協議会 007.5/テシ033/2
現在、情報をデジタル化し保存・蓄積する「デジタルアーカイブ」が広く普及し、日本の多くの美術館・博物館・図書館などでもデジタルアーカイブをWebで公開するところが急増しています。本書は、デジタルアーカイブの現状や展望、Webで公開している機関・団体の個別の事例やHPアドレス一覧が掲載されています。
社会
日本の城ハンドブック 新版
大和田哲男/監修 三省堂 210.04/オテ05Y
東北・北海道の27城を含む239城を紹介したハンドブックです。それぞれの城が創築された経緯や歴史などが紹介されています。また、各地方の戦国武将のプロフィールと住んでいた城の紹介もあり、読み物としても楽しむことができます。
国家の品格
藤原正彦/著 新潮社 304/フマ05Y
著者は数学者であり、作家新田次郎、藤原ていの次男です。欧米の「合理性」「論理的」精神に頼りすぎてきたことが現代社会の苦境の真の原因と考え、日本人が古来から持つ「情緒」や伝統に由来する「形」を見直すことの重要性を説いています。
男性保育士物語
小崎恭弘/著 ミネルヴァ書房 376.14/コヤ055
「保育士」という職業は、1999年に「保母」から名称が変更され、男性も就くことができる職業という認識が広まりつつありますが、実際に働いている男性保育士の数は保育士全体の1%程度だそうです。その1%のうちの1人である著者が、男性保育士のパイオニアとして、生き生きと働く姿が紹介されています。男性、女性の両方が子育てに関わることの必要性を実感できる1冊です。
雑誌・新聞
現在、展示コーナーでは【ふくしまの名歌めぐり展 古今・新古今集の年を記念して】、時事コーナーでは【福島の詩・歌・句集展】を開催しています。そこで当館所蔵の詩歌関係の雑誌をいくつかご案内します。
國文学 解釈と教材の研究
學燈社 Z910.5/K2
詩歌はもちろん、日本文学・文化全体を扱います。平成18年2月号の特集『色の文芸誌』は、色をキーワードに様々な分野が掲載されています。平安和歌の色(特に紫について)、漢詩の色、葬送に黒系統の服を着るようになった由来,高松塚古墳の壁画の色など、興味深いテーマを分かりやすく読み解きます。
又、平成16年11月号『古今集・新古今集』のように、一つの作品や人物に焦点を当てた特集もあります。
短歌
角川書店 Z911.1/T6
今活躍中の歌人の作品から、万葉集や百人一首といった古典まで、短歌が味わえる雑誌です。特に、短歌についてのエッセイが心に沁みます。
現代詩手帖
思潮社 Z911.5/G15
12月号は年鑑として、昨年の展望や代表作、印象に残った詩・詩集、そして詩書・詩誌一覧などが掲載されており、その年の現代詩の世界を俯瞰できます。
地域
名主文書にみる江戸時代の農村の暮らし
成松 佐恵子/著 雄山閣 L212/N8/1
詩江戸時代、農村に対する行政官の役割を担ったのが名主。その名主をつとめた二本松市杉田地区の旧家に残された良質、かつ、膨大な文書類を分析することにより、当時の村や人々の生活を詳細にふりかえる。たとえば、博打や喧嘩といった若者の無軌道な行動が村の悩みの種になったことや、人口減少への対策としての赤子養育手当、長寿者へのお祝いとして米を贈ったことなど、現代に通じる部分も多い。また、人別帳から、3千人以上の人生の統計を取りデータ化。歴史人口学的視点からも農村の暮らしが読み取れる一冊。
新選組・斎藤一のすべて
新人物往来社/編 L289/S160/1
新選組三番組長、撃剣師範であった斎藤一はじめ。会津戦争において土方歳三と意見を分かち、会津に残った彼は、戦後藤田五郎と変名し、会津人として生きる道を選ぶ。斗南開拓の後、警視局に入り西南戦争に参加。公職を経て、大正4(1915)年9月没。享年72歳。遺命により、その墓は多くの会津藩士たちが眠る会津若松市七日町阿弥陀寺にある。
何度も名を変えざるを得なかったその生涯を、寡黙な気質で語録が少ない本人に代わり、多数の論文が解き明かした好著。斎藤一関連文献目録付。