東京子ども図書館/編集 東京子ども図書館 2019
皆さんは、「お話会」に参加したことがありますか?「お話会」は、図書館で開催しているイベントの一つで、主に読み聞かせやストーリーテリング、わらべ歌などを子ども向けに行います。県立図書館では、「ちいさなおはなしかい」を毎月第2木曜日10時30分~11時で開催しています。対象は、0歳~3歳くらいまでの赤ちゃんと保護者で、一緒にわらべうたやおはなしを楽しむプログラムです。
本著は、その「お話会」を長年にわたり続けてきている「東京子ども図書館」で語られたお話(1972年~2019年まで毎月開催)を全て収録したプログラム集です。東京子ども図書館の「月例お話会」は、大人が対象の会で、ストーリーテリングのみのプログラム構成になっています。私も参加したことがありますが、各国で長く語り継がれ、愛され続けている昔話の数々は、子どもたちはもちろんのこと、大人たちをも魅了する力をもっています。
「月例お話会」では同じお話が時代を経て何度も語られていますが、語り手の個性によって異なる世界が広がるのも、その面白さの一つです。子どもに物語る大人にこそ、脈々と受け継がれてきた物語の豊かな世界に想像を膨らませ、次世代に語り伝えてもらえたら、そして何より童心に戻って楽しんでもらえたらと思います。
なお、前書きは多くの語り手を育ててきた東京子ども図書館名誉理事長の松岡享子さん、カラー口絵にはお話会の折に配布した手づくりプログラムの数々、巻末には話名索引と出典リストが付いています。
2020年3月23日 vol.190掲載